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このダストボックスという街は他の街のゴミから形成された無人街である。生ゴミの悪臭とヘドロに近い河川に目をつむれば住めないこともない、が、好き好んでゴミの集積場に住もうなんて輩は誰一人としていない。
ゆえに、ゴミが増えれば増えるほど、住人は年々姿を消し、ゴーストタウン化してしまった。
しかしこんな掃き溜めに近年、注目が集まるようになったのだ。
理由は二つ。
一つはヘドロを利用した発電方法が確立したこと。コレトの住む街は電力不足が深刻化し、一昨年、自家発電が義務化されるようになった。それから、太陽光発電、ミニ風力発電など各家庭によって様々な発電方法がとられたが、結局はどこもたかが知れたものだった。
そして今年、コレトの街の学会でヘドロを利用した発電方法が発表された。簡単に言えば、ヘドロから摘出したガスを燃焼、同時にヘドロ自体を浄化する際のエネルギーが発電に使われるものらしい。このユニークな方法に、各学会及び世界中の学者達がこぞって関心の目を向けるようになった。
詰まる所、次世代型の発電方法として多くの期待が集まり、注目されるようになったという訳だ。
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