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「あぁー!さっきの泥棒ぉ!僕の財布を返せーーー!」
「「ヤッバッ」」
二人は颯爽と逃げる。また、足にローラースケートでも履いてるかのように滑らかに歩行者をよけていく。
「ま、待てぇ!」
コレトは全速力で彼らを追う。元々運動音痴で気弱なコレトだったが、あまりの空腹に自分の性格が一時的に逆転してることなど微塵も感じてもいない。
「うわ、アイツ何気足早いよ!ウチそっち行くから、アンタ向こう走って!」
「りょーかい!」
二手に分かれる盗人二人。
「僕の……ゼェゼェ……財布……ゼェゼェ…返せェ……」
ぜぇぜぇと苦しそうな息を漏らすコレトはもう限界だった。
「もう……ダメ……」
気力を失った彼はバタンと音を立てて倒れ、泥に埋もれるかのように気を失ってしまったのだった。
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