採集とか討伐とか

14/14
1133人が本棚に入れています
本棚に追加
/385ページ
オーガが一歩前に出た。 「雷」 バリバリという落雷の音が響き渡り、地面が更に揺れる。 煙と焦げた臭い、同時に巨大な物がゆっくりと倒れ更に地面を揺らす。 「何か楽勝だったな」 『当然です』 そうなんだ.... 「み、ミスト....おまえって一体....」 まあそうなるな。 「サクラ、他に何かいるか?」 「いえ、この辺りの魔物は全て逃げ出しました」 あらら。 「じゃあ帰るか」 「待て!このオーガは....」 死んでるから問題なくね? 「それはケインに任せる」 「いや、任せるって....」 「俺はマナシへ行くんだ」 そう告げると皆が唖然とした。 「マナシへって....バラキにいれば良いじゃないか!」 マーブがそう言うと当然だと皆が同意する。 「マナシの方がこいつが生き易いし、俺もこんな状態だから色々と見てみたいんだ」 サクラの頭を撫でながらそう告げた。 このバラキという国は良い国だと思う。 多分、ここで冒険者として過ごしていれば、これから生きて行くのには特に問題もないかと思う。 でも、サクラの件で感じた。 何か違う、俺は何かをしなきゃいけないんじゃないか? 忘れてしまった大事な事があるんじゃないか? 『はい』 この声の主が言ったように、自分で思い出さなきゃいけないんだ。 「またバラキには来るから、今より少しでも亜人が住みやすい国になっている事を願う」 さて、戻って装備を揃えるか。
/385ページ

最初のコメントを投稿しよう!