11人が本棚に入れています
本棚に追加
女性は目を丸くしている。犬歯が下あごに触れる感触があった。気分が悪いわ! 僕は、ドアに体当たりをした。ドアの隙間が開いた。
そして、鼻面で勢い良くドアが閉められた。
「あー、お父さん、また鍵かけ忘れてる。全く、だらしない」
「キャウーン。キャン」
ドアに擦れた鼻が痛い!
「戻ってきたら、鍵しっかりかけて、もらおう。一緒にお風呂入るよ」
「ワン? ワォン、ワァン?」
ちなみにチョコの風呂は、夜。最後に僕が入れる。その後、湯船と風呂場の掃除は、夏暑いので全裸でしている。
背中から抱えられ、風呂場へ向う。視線の位置が人間に近い。女性が、湯船のふたを開けていた。むーんと、残り湯特有の匂いが鼻につく。さあ、一緒に入ろう。
「ワン! ワンワン」
いきなり、僕は湯船に足から浸かった。半ば落されたようにだ。前脚で、湯船の淵をしっかり肉球と爪を駆使して掴む。早く脱ぎたまえ。
「キャンキャンキャン」
「お湯かけるね」
最初のコメントを投稿しよう!