佐藤と塩田 16

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佐藤と塩田 16

二人で湯船に浸かり、 水面に浮かぶ月を眺めながら、 俺は塩田に話をどう切り出そうかと 悩んでいた。 目の前にいる男が友人だと 思えなくなってから、 俺たちの境界は曖昧なまま、 ふわふわとした危ういバランスを 保っている。 たかが祭りに誘うくらい 簡単だったはずなのに、 お前を前にすると、うまく言葉が出てこない。
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