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こどもは天真爛漫であるといわれるが、そんなことは嘘っぱちだと誰もが知っている。いつの間にか自分がこどもであったことを忘れてしまったおとなが、たとえば自分のこどもについて理想を求める結果、そういう発想が出てくるのだろう。
女の子は可愛くて素直で従順で愛嬌がある。男の子は純真で元気がよく甘えたがりだが頼りになる。どちらにしても親の言うことには従い、笑顔が絶えない生活。ある種の理想かもしれない。
誰もがそうではないことは一目瞭然だ。理想は素晴らしいことかもしれないが、ずっとそのままでいられることはない。おとなになって世の中が理不尽であることを思い知らされる。平気で他人を踏みにじったり騙したり、ことばだけでなく実力で暴力をふるうやつもいる。
そういうやつらと関わり合いたくないから、おとなは他人に無関心になる。
しかし、考えてみよう。おとなになってからそうなるのであろうか? こどものうちからそういう資質が人間にあるから、そうなるのではないか? あるいは、すでにこどものうちから出ているのでは?
思い出してみよう。こどもの頃、学校でいじめは無かっただろうか? 根拠のない差別、ことばの暴力、物理的な暴力、すべてあったではないか。
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