✙ 夜の魔法 ✙

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✙ 夜の魔法 ✙

 そう言う訳で今、僕は屋根の上に居る。 え?どういう意味か分かんないだって? 星の雫を集める為に、屋根に居るんだよ。 え?まだ分かんないの? 物は試し。 じゃあ、見ててね。僕は星に願った。 『星の雫よ、僕の声に従え!僕の鈴の中に集まるんだ』 満月の夜、午前0時0分0秒に僕は月の光の下に居た。 月光が、僕を包む。 僕は声を張り上げ胸を張り、首の鈴を満月に照らした。 光の筋が波のように、のたうつ。 僕の首輪の鈴に、まとわりつくように光の波はゆらゆら揺れた。           ##  ミケ子は言ってた。 『鈴の中って、がらんどうでしょ?で、その中の丸い金具が ころころ転がって、音を立てる。』 ウンウンと僕はうなずいた。 『星の雫はその鈴の中の丸い金具に集めて、まとわせるの。 時間を間違えちゃダメよ。その時間だけ星の雫が幸運を呼ぶ猫の声に、 従って、夜空から落ちてくる。怖がらないで、動かないでね』 『そうしたらその鈴の中の金具が、月の様な金色になるわ』 『鈴じゃなくて、金具?』 『集めて!成功すれば魔法が使える。人になれと月に祈りなさい』               ##  空から落ちてきた星の雫が、首輪の周りの光の波に跳(と)び込む。 光の波は星の雫をまとって鈴の中に入った。 いくつもいくつも入る。 鈴の中の金具にまといつき、金具は月の光を放った。 『わ!』 見た事も無い凄い光。 ―ーー動いちゃダメよ。その声を思い出し、僕は4本の足を踏(ふ)ん張る。 首輪の鈴が光ってる。 落ち着け、落ち着け。 鈴の光が弱まり、代わりに中の金具が金色の光に定着した。 僕の鈴の中に小さな月が出来た。成功だ、魔法を使える! 『月よ、人間になりたい。僕を人間の男の子にして‼』 首輪が光った、首輪の鈴の中の金具ごと鈴が光る。 光は僕の体全体を包む。 僕は魔法を使った。 もの凄い光が僕を包み、消えた時。 僕は人間の男の子に、なっていた。

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