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その人影が見えた方向へとわたしは走り出した。
かなりの勢いで走った。けれど、右を向いても左を向いても、お兄ちゃんらしき姿は見当たらなかった。
「お兄ちゃん~」
どうして死んでしまったの。お兄ちゃん、どうして……。胸が苦しくなりどうにかなってしまいそうだ。今にでもこの胸がぱーんと破裂してしまうんじゃないかなと思うくらい苦しい。お兄ちゃんを思い出すと辛くなる。
わたしは、哀しくて辛くて立っていられなくなり膝から崩れ落ち泣いた。
涙が次から次へとこぼれ落ちた。こぼれ落ちた涙が止まらない。
お兄ちゃんが死んでから一年が経っていた。
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