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あの子が亡くなったと知らせが来たのは、2日後のことだった。
大型トラックにはねられたのだと。
仕事から帰宅した僕は、その言葉に呆然と立ち尽くしてしまった。
つい1週間前まで、僕はあの子と話をしていた。
仕事の愚痴を言いながら、良い事があったと珍しく声を弾ませていた。
嬉しそうに。
とても、嬉しそうに......
もうすぐ会えるはずだったのに......
「嘘だ......嘘だろ......?」
信じたくなかった。
信じることなど、認めることなど到底出来なかった。
だけど、現実は変わらなかった......
あの子が死んだ夜、僕は声が枯れるまで泣き叫んだ。
どれだけ涙が流れても、苦しさも悲しさも消えなかった。
まるで自分の身体が裂けてしまったような痛みがずっと僕を包んでいた。
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