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友人に同人漫画家がいた。彼にお願いした。小学校、中学校で同級生だった須川 《すがわ》 大平君だ。
ペンネームは、どこからが姓でどこからが、名前なのか分からない名前だ。
審査員になるに当たっての条件が出た。過激な描写がある作品も手がけているのだ。
無償だが、須川 《すがわ》 大平という、本名を非公開にするのが条件だ。
本は四百部だけ刷り、全ての視聴世帯に無料配布だ。それでも余る。
町役場の職員さんも、協力してくれ、町立図書館にも置いてくれる。町内全ての学校図書室にも寄贈予定だ。
はっきり言って……、赤字だ。
大賞には賞金1万円。副大賞には賞金5千円。佳作は賞金がないが、本に掲載する。
授賞式は駐車場を同じくする、喫茶店さんを無料でお借りして、行うことにした。
授賞式会場までの、交通費などは申し訳ないが出せない。
僕は、授賞式の準備に苦労した。
同じ商店街振興組合で書道教室をしている方が、表彰状を書いてくださる。商店街振興組合の会長さんが、町長さんの後援会員だ。町長さんがご挨拶をしてくださることになった。
商店街振興組合の幹事さんが、町議をしている。この前、町会議長になったので、来賓として出席だ。
授賞式の食事は同じ商店街で、一皿百円の回転寿司さんで有償で買う。大きな持ち帰り寿司を、テイクアウトすることになった。
授賞式が近づくが、受賞者の方々は遠方ばかりだ。
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