ケーブルテレビ局終了のお知らせ

6/6
前へ
/6ページ
次へ
 当時、プロフィールも設定だと勘違いしてた。プロフィール画像は、商業利用可能な、実在しない人間の顔画像だ。AIが作成してくれるサイトで作っている。  万が一似た顔の方に迷惑がかからないよう、しっかり画像は加工している。 「うーん、プロフィールも含めて、創作のつもりだから、大丈夫だよ」 「あのさ。ネットの一部で、オッサンだ。(だま)されたって、書かれてるぞ」 「小説に性別や年齢は関係ないさ……」 「あそこまで、SNSで大学入試、高校入試、学校生活を、つぶやきで書いておいて、それは通用しないって!」 「そうか。おい、須川 《すがわ》。どうしたら良い?」 「アカウント即刻削除。あとは完全スルー。授賞式の動画、再放送ゼッタイするなよ」  小説投稿サイトの運営さんや、SNSの運営さんはパスワードは他人に知られないよう規約にある。  急いでいたので、須川 《すがわ》 大平(たいへい)君に、電話でパスワードを知らせる。規約違反だ。  その日のうちに、小説投稿サイトとSNSの七瀬(ななせ) 夢子(ゆめこ)は、アカウントが消失した。  小説投稿サイト、SNSでの仲良くしてくださった方々は、事情を知らないらしい。 「あの子がいなくなった」  心配して複数の方々が、書いてくれている。皆さまに惜しまれつつ、小説投稿サイトもSNSも引退したのだろう。    他方、赤丸(あかまる)ケーブルテレビは、トラブルもなく無事廃業した。本に掲載された受賞作は、ほぼ永久に残るはずだ。(完)
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加