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彼女がいなくなってそれからの日々・・・
毎日、午後八時。
高木さんの自宅を尋ねるのが日課になった。
高木さんのお母さん、いつも玄関の前で待っててくれる。
そう・・・
角を曲がってすぐに高木さんの自宅が見える。
玄関先の照明が明るい。
ドアの前。ショートカット、白いブラウス、青のニットスカート。真っ白な脚の映える白のクルーソックスが目に入る。
大きく手を振ってくれる。
ぼく、早歩きになって、最後は走っている。
「こんばんは」
「こんばんは」
「なにか分かりましたか?」
「ごめんなさい。なにもね」
高木さんのお母さん、申し訳なさそうに顔を曇らす。お母さんのせいじゃないのに・・・
一ケ月くらい後。
「こんばんは」
「ようこそ。家に入って」
「なにか分かりましたか?」
お母さん、首を横に振る。申し訳なさそうに横を向く。お母さんのせいじゃないのに・・・
お母さんの後について家に入る。
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