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彼女を探して・・・
□日下部祐基君の手記
中学一年の秋。
いつものように橋を渡ったところで別れ、次の朝、橋のところで待っていなかった高木さん。
朝のホームルーム。担任の草野先生が、
「家の事情で急に引っ越しました。みなさんによろしくと・・・」
そんな!ありえない!
ぼくになにも言わずに行っちゃうなんて・・・
先生に隠れて、何度も高木さんの携帯に電話。
「おかけになった電話はお客様のご都合によりおつなぎできません」
どうして出てくれないの?
学校終わって、急いで高木さんの自宅をめざした。何度か遊びに行ったけど、勤めをしてる高木さんのお母さんには、会ったことなかった。
白い二階建ての家。「高木」の表札。窓にはカーテンがかかり、洗濯物が干してある。
「引っ越してなんかいないんだ」
何度も心の中で叫んでた。
高木さんのお母さんは夜の八時過ぎに帰るっていうことだった。
一旦、自宅に戻って、夜になってからもう一回、尋ねてみた。
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