彼女がいなくなってそれからの日々・・・

1/1
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

彼女がいなくなってそれからの日々・・・

 毎日、午後八時。 高木さんの自宅を尋ねるのが日課になった。  高木さんのお母さん、いつも玄関の前で待っててくれる。  そう・・・  角を曲がってすぐに高木さんの自宅が見える。  玄関先の照明が明るい。  ドアの前。ショートカット、白いブラウス、青のニットスカート。真っ白な脚の映える白のクルーソックスが目に入る。  大きく手を振ってくれる。  ぼく、早歩きになって、最後は走っている。  「こんばんは」  「こんばんは」  「なにか分かりましたか?」  「ごめんなさい。なにもね」  高木さんのお母さん、申し訳なさそうに顔を曇らす。お母さんのせいじゃないのに・・・  一ケ月くらい後。  「こんばんは」  「ようこそ。家に入って」  「なにか分かりましたか?」  お母さん、首を横に振る。申し訳なさそうに横を向く。お母さんのせいじゃないのに・・・  お母さんの後について家に入る。  
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!