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次の日から、女神は森野君に積極的に関わっていった。森野君が友達と楽しそうにお喋りしている時に、私も混ぜてと入っていったり、森野君が場所を移動すると付いていったり。トイレに入っていった森野君を待つ為に、男子トイレの入り口の前で突っ立っていた事もある。見かねた私が注意すると、勝ち誇った顔で、勇気がなくて私の真似が出来ないが故の嫉妬でしょ?と嘲笑うだけだった。流石に森野君もうんざりしたのだろう。女神が自分に付きまとって来る度に、止めてくれと言う様になった。女神は益々クラスから浮いていった。男子からは森野に対するストーカー行為が怖いと恐れられ、女子からはデブでバカのくせに森野君に付きまとうなんて身の程を知れと睨まれていた。私も少しずつ女神を助けるのを止めていった。女神は周りから嫌われようが、森野君に執着した。森野君は疲れたのだろう。ボンヤリする事が多くなり、成績も下がっていった。得意だったサッカーも、段々下手になっていった。ある日から、学校に来なくなった。不登校になって1ヶ月後、森野君はみんなに黙って転校してしまった。
森野君が転校してしまってから、女子は女神を堂々といじめる様になった。私は助けなかった。女神のせいで好きな人が居なくなったという思いがあったせいで、ざまあみろとしか思えなかった。だから、私も簡単にいじめる方に回った。ねえ、小南さん仲間にならない?というクラスの女子の手を簡単に掴んだ。女神だって、散々私をいじめてきたんだから良いだろう。
手始めに女神に向かって、この便所姫!と怒鳴った。お前のせいで森野君が居なくなったんだぞ!と。周りの女子はクスクス笑っている。女神は信じられないという目で私を見ている。麻衣子、私達親友なのに何で…?と呟く女神に、私はそう思ってない!と答えた。
それから、私はクラスの女子と過ごす事が多くなった。クラスの子は私に我が儘を言わないから、一緒にいて楽しかった。女神と2人で居た時は、私こんなに笑えなかった気がする。女神は誰にも何も言わなかったんだろう。そのうちまた親に雷をくらう覚悟は出来ていたのに、何もない平和な日が続いた。
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