3人が本棚に入れています
本棚に追加
女神とは別のクラスになったが、私の楽しい生活は崩れてしまった。休み時間毎に、女神が私を訪ねてくるからだ。教科書を広げて友達と勉強している中を、女神が無理矢理入ってくる。
「いやー勉強してなかったから、全然分からないや。誰か一時方程式教えてよ」
「田中さん、邪魔!」
私は声を荒らげて女神を睨む。
「田中なんて他人行儀な。昔みたいに便所姫で良いよ」
女神がそう言ったとたん、周りが軽くざわついた。
「麻衣子ちゃん、私の事よく便所姫って呼んで可愛がってくれたもんね。ドッジボールでよく顔面にぶつけてくれたりね」
私は冷や汗をかいた。こいつ、人前でなんて事を言うのよ!
クラスがザワ付きはじめた。クラスの連中が好き勝手言い始める中、私は慌てて女神を空き教室に引っ張っていった。
どういうつもりよ!と私は女神に詰め寄った。やっと普通の青春を送れると思ったのに、こいつはまた邪魔をする。
「本当の事を言っただけじゃない。何で怒るの?」
「あんたのせいで私の印象悪くなったじゃない!もう私に関わらないで!あんたなんて大嫌い!」
女神はクスッと笑って、無理と答えた。
「私は友達でいたい。麻衣子に避けられた時に、腹いせにおっさんに付いて行ったけど、寂しさは満たせなかった。勉強も遅れちゃったから、責任とって私に勉強教えてよ。麻衣子のお母さんに頼んだら快く引き受けてくれたよ。うちのお母さん、私が居なくなった事でおかしくなったみたいだけど、私が戻ってきた事で元に戻ったみたいで、また友達やってるみたいよ」
「だからって、私達まで友達やる必要ないでしょ!」
「麻衣子」
女神は少しずつ私ににじり寄ってきてこう言った。
「あんたが私をいじめた事は、あんたの親には言ってない。けど、証拠は残してる。それをネットに晒したら面白いよね。行きたい高校に行けなくなるんじゃない?」
私は青ざめた。いつの間に。
「転校していった森野君も見るのかな?あんたの醜い姿。ねぇ、麻衣子。あんたは私からは逃げられない運命の友達よ。これからも宜しくね」
最初のコメントを投稿しよう!