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１
水面から差しこむ光のカァテン、そのゆらめきの中に広がる海の国。其処は、人ならぬ人魚の国である。
ぬらりとした白磁の体に煌めく魚鱗を纏わせた人魚がどのようにして生まれるのか、それを知っている者は少ない。海面の泡沫が何かの拍子に変じたものだという者、恋に病んで身を投げた少女の末路だという者。
確かにわかっているのは、彼女たち（そう呼ぶことに問題は生じない、なぜなら人魚が持つのを許されるのはなめらかな女の体だけなのだから）が、生まれながらにして悲恋を運命づけられているということだけである。
このお話も、そのひとつ。
人魚の存在を私たちに知らしめた有名なおとぎ話。
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