ああ、そうですか!

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田舎だと噂話が早いと聞くが、なんて事はない。東京の下町も早いものだ。 小学校こそ違うのだけど、中学で仲良くなった友達がいたが……ひょんな事から仲良くなったと言えるだろう。 母親に連れられて遊びに行った家に小野さんがいたというだけのこと。おっとりしていつもニコニコ笑顔の女の子、私は好きでもなく嫌いでもなかった。 関さんの話しを母親にしてみたら、ぢゃあ…と小野さんの家に行くではないか。 なんで? 何となく聞いていたのだが、どうやら引っ越したらしい。ただの引越しなら噂話にゃならないだろうな……『離婚』して引越した。 あの頃は片親なんてざらにいた。不思議でもなかったから、記憶の何処かに追いやっていたのかもしれない。 思い出してみたら確かそんなことを言っていた。 彼女は不安だったのか……それが佳代ちゃんに依存していたのだなと思った。 小野さんも普通にふんふん言いながら聞いていた。 小野さんの部屋に行ってから聞いてみた。 「なんであんなに知ってんの?」 「ああママ?好きなんだよね噂話(笑)」 「ふーん好きなんだ……面白いの?」 「さぁ?!大人の考えてることは、解んないよ~暇なんじゃない」とケタケタ笑いだした。 つられて笑う私。 後に彼女も引っ越していった。 高校生のある春の日だった。
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