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星窪み
たかし君と悟君に追い付くと小さく見えた島は
カジュマルの木や気水木が鬱蒼と繁っていて
確かに人間でない息吹きを感じるのです、
毎日お清めに来ているたかし君と果林さんは
足下の砂を拾い始めたました、
「悟君も手伝ってください、星窪みの祭壇には有孔虫の殻を108個捧げなければいけないのです・・」
仏教では煩悩だと言われますがインドでは
108は人間を現す数と伝えられている、
そう思うと私は少し星窪みの神様が恐ろしく
思えて来たのです、
「吉岡さんも手伝って一人33個拾ってください・・・」
「33個でいいんですか?」
「はい!後の一つは島に渡ってから加えるんです・・・」
面白いまるで数秘術のようだ、私は果林さんの言うとおりにここからは行動する事にした、
島に近づいてしまうとザザーン、ザザーンと
岩にぶつかって砕ける波が得体の知れない恐怖心を沸き立てる、
「たかし君、吉岡さん、ここからは絶対
ふざけないでください・・」
島の鬱蒼とした森は今にも私に話かけてきそうなのです。
たかし君は悟君のピッタリそばについている
島の浜に着くと悟君は最後の一個の貝殻を探して掴むと果林さんの所に持ってきた、
最後の一個はまるで頭の様な形をしている
99個の有孔虫の殻の上に置くと確かに人の様に見えてしまう、果林さんも悟君も貝殻の
意味は知らないようだ、
「果林さんその貝殻は何の為に星窪みに捧げるんですか?」
「吉岡さん、昔から続けている儀式なんで詳しいは説明出来ないんですけど多分感謝のしるしだと思います、」
星窪みまでの道は白い砂と沖縄珊瑚の団子を積んだ様な灯籠が五メートル程の間隔で並んでいる、ここまで来ると人の手が入っているので恐怖感はなくなってくる、
「まるで参道の様だね、」
真っ直ぐではないが曲がりくねった白い道がヤシの木やカジュマルの
ジャングルの中を星窪みに向かって続いている、
「月に向かって進んでいるようだ、」
「吉岡さん、私は明るい時間の御奉仕だから
星窪みの道が月明かりに照らされてるのを
見るのは初めて・・・」
「悟君は私の知らないこの島の秘密を知ってるのね!」
真っ暗な森は生きている、沢山の生き物が森の中では獲物を狙っている、野生の生き物は夜活動するのだ、何万年も変わらない永遠の中を僕たちは今歩いているようだ、
「果林さん、この島は特別何ですよ・・・」
「ここの有孔虫の白い道はアマゾンのジャングル神殿に繋がっているチチチの道に仕組みがそっくり何です・・・」
「悟君はチチチの道を知っているんすね!」
「果林さん、チチチの道は月に向かって
進まなければ神殿には
たどり着かないようになっている、
古代インディオの神官だけに伝えられた
魔の道です・・」
「果林さん、ここはアマゾン程複雑ではないけどチチチの道によくにているんです・・」
「悟君、脅かさないでもらえるかな・・・」
「そうよ、私達はこれから星窪みの神様に会いに行くんです!」
確かにに沖縄には猛獣はいないし悟君は月に二回も御奉仕に来てると言う事だし、大丈夫だろう、せっかくの神聖な雰囲気が台無しになりそうだ、
「危険な事からは神様が守ってくれるよ、
きっと・・」
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