守り神

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守り神

 たかし君と果林さんは少し神妙な気持ちに なって、参道の脇に落ちている大きな芭蕉の葉を高く掲げた、  それまで静かだった森は急に 得体の知れない音がたち始めた、 キュロゥーキュロゥー、ギーギー カリカリ、 キュロゥー キリキリ 「警戒しているのかも知れないな、」 「吉岡さん、蛇は大丈夫ってさっき言ってましたよね!」 「夜の蛇は除いてね・・」 「悟君、その芭蕉の葉のせいで動物達が 驚いたようだね・・」 「吉岡さんも芭蕉の葉を持ってください、 高く掲げていると動物達は近づけ無いんです、」 「たかし君はどこ!」 「たかし君は私にしがみついているわ・・」 懐中電灯を果林さんの方に向けると果林さんの腰に寄りかかっている、 よく見るとたかし君の肩の所にはヤモリが しがみついている、 「たかし君、虫がついてるからちょっと 動かないでくれるかな~」 「吉岡さん、ヤモリは守り神だから採らなくていいんです」 「果林さんは爬虫類は平気なんだ!」 都会で暮らしで何でも害虫に見えてしまうが確かにヤモリは益虫だし、果林さんのやり方に従う事にした。 「他にはどんな生き物がいるんですか!」 「そうねえ、フクロウの仲間の琉球アオバズク、シマキンパラ、ミヤコヒキガエル、 後山猫もいます!」 僕も芭蕉の葉を高く上げて歩く事にした、 確かに芭蕉の葉を高く上げると虫がよって来なくなった、 暫く歩くと三メートル程盛り上がった岩の塊が見えてきた、 「吉岡さんあの岩の裏が星窪みよ・・」 岩の回りは綺麗に敷石がしてあり裏の方まで道が続いている 「着きました、」 「お疲れ様です、」 裏に回ると少し下った所鍾乳洞の入り口の様になっていて珊瑚の柱が二本立っている。 「これが星窪みなんですね!」
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