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後
夕焼けの向こうから銀色の円盤が飛んできたのは、その時だった。
銀色の円盤は街の上空で静止した。そして響き渡る大音量の声。
「聞こえるか、地球のみんな!! 驚いたか!! 帰って来たぞ!!」
ビルに取り付けられた大型ビジョンに、電気屋の店先のテレビに、街行く人達のスマホやタブレットにまで、声の主の顔が大写しになった。
その途端、人々は悲鳴を上げ始め、辺りは大騒ぎになった。
肌は紫で目は緑、触覚まで生えている顔があまりにショッキングだったからだ。
でも、それを見た瞬間、僕の心には電気が走った。
あの笑顔だ。
白い歯をむき出しにしてニカッと笑う感じは間違いない。
あれは間違いなくカズヤ君だ!!
なんてこった。また会えた。生きてたんだ。心臓がバクバクする。
姿なんて、些細な事だ。
戻ってきてくれた。それがたまらなく嬉しかった。
「カズヤ君、お帰り、僕だよ!!」
気が付くと、僕は思わず叫んでいた。
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