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そして、二年後。二人は美和大学付属中学に入学して、中学生になった。
入学して、数日。
楓は、琴から信じられない報告を受けることになる。
「楓!私、吹奏楽部に入ろうと思うの!」
吹奏楽部。
「えぇ?でも音楽は……」
どう考えても音楽系の部活だ。
音楽を一度辞めた琴がふたたび音楽の道に踏み込む。
楓は不安だった。
人間関係だって難しい、イメージがある。
「大丈夫。吹奏楽は、みんなでやるでしょ。一人じゃないんだよ!」
孤独の音楽が一番の苦しみだった。
しかし、吹奏楽は大人数で音楽を奏でるものだ。
それならできる。
琴には自信があった。
とすると、楓の決断は一つだった。
「じゃあ、俺も入る」
「えっ!」
「特に何に入ろうか決めてなかったし……嫌?」
もう二度と琴を孤独にしてはならない。
そのために共に音楽を奏でる仲間になろうと楓は決意した。
「んーん、全然!むしろ楓と演奏できるなんて楽しみ!」
一瞬驚いた表情を見せた琴だったが、すぐさま笑顔になった。
ずっと隣にいた幼馴染が、今度は演奏者として側に居てくれる。
琴にとって嬉しい以外の感情は無かった。
「なら、よかった」
楓はそう呟いて、琴の笑顔に安心した。
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