3-2.親友と楓葉とリボンの記憶

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その次の年も銀賞だった。楓がステージに乗っても、結果は変わらなかった。 高校三年生が引退して、新体制になって初めてのミーティング。 「このままじゃ、だめですよ」 楓は焦っていた。 結果を求めていた。 コンクールが終わって、寂しそうに「楽しかったね」と微笑む琴はもう見たくなかった。 心から喜ぶ琴が見たかった。 そのためには、このままでは。 「楓?」 琴の心配をよそに、楓は話し続ける。 「俺、思うんです。代表になる部活は全国を目指している。金賞を取る団体は代表を目指している。だから、俺たちが金賞を取る為には代表を目指さなきゃいけないんじゃないかって」 「でも、まずは金賞を」 高校二年生の新部長は食い下がる。
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