3-2.親友と楓葉とリボンの記憶

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「あのっ、私」 琴が発言した。 「目標を支部大会にするのに賛成です。先輩方にコンクール、笑って終わってほしいんです」 楓の掲げる目標に賛同した。 それは楓をフォローするためだけでなく、プライドを傷つけられた先輩達へのフォローもするためだった。 「きっと楓もそうだと思うんです」 「おい」 楓が孤立するのも、先輩たちが納得しないのも嫌だ。 全員が同じ目標を持って部活に臨みたい。 楓の気持ちまで巻き込み、琴は、説得を続けた。 しばらくして、ようやく議長を務めていた部長が口を開いた。 「今年の、目標は……支部大会出場だ!」 説得の甲斐あって、美和大学付属中学・高等学校吹奏楽部の目標は決まった。県大会で金賞を取る為に。
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