3-2.親友と楓葉とリボンの記憶

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「楓さ、もう少し優しくしてもいいんじゃないの?」 「怒鳴ったりはしていない。十分、優しいだろう」 後輩たちのお願いを断れなかった琴は、楓に抗議した。 「新米の一年生ならまだしも、二年生にはこれくらいやってもらわないといけないだろう」 「……でも、みんな全然楽しそうじゃない」 「お前の本心はなんだ?」 「え?」 何かを見透かすような言葉に、琴は目を丸くした。 本心?私の本心って何だろう。 楓にどうしてほしいのだろう? 分からない。 それもそのはずだ。 琴は後輩に頼まれて、楓を説得している。 本心で頼んでいるわけではない。
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