3-2.親友と楓葉とリボンの記憶

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「最後に泣いてしまう事に意味があるのか?琴はそれで楽しかったと言えるか?」 「違う」 じゃあ、どうして楓を止めるのか?答えがようやく分かった。 「私はね、楓がこれ以上一人になってほしくない」 独りが嫌いだから、親友にそうなって欲しくない。 それだけだった。 「楓、変わっちゃったよ。それで、傍に居た人たちが離れて、このままじゃ、嫌だって」 「琴、落ち着け」 泣きそうになりながら言う。 さっきまで明確になっていた頭がぐちゃぐちゃになっていくような気がした。 「なんで?楓どうしてそんなに変わっちゃったの?分からないよ」 「……俺、焦っているんだと思う」 「え?」 「琴が綾峰高校にスカウトされたって聞いて、行くなって引き留めたみたいになったのに、結果を出せないと、悪いだろう」 楓の答えに琴は目の前が真っ暗になるような気がした。 それは、つまり。 「私のせいなの?」
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