4-1.一番かっこの行方

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「星見」 「すみません!」 叩くたびに指摘を受けている気がする。 まるで一番最初の合わせの日を思い出すようだった。 「ビブラフォンになるとあからさまに苦手意識が出てるぞ。」 「うう……鍵盤久しぶりで。」 しかし、これほどまでに苦手であったか、と思い知らされる。 練習はしっかりしてきたし、正直、楓の言うほどひどいものかと少しばかり疑ってしまう。 すると見かねた佳貴が爽介のフォローをする。 「まぁまぁ、爽介も最近さらったばかりですし!」 「その割にはよく叩けているよ。」 確かに、爽介は楽譜をもらって一週間で、すべての音を並べられていた。 細かいところはまだまだ課題が残っていても、仕方がない事だと言える。 それでも、楓の表情は厳しいものだった。 「……次の合わせまでにはものにしておけ。」 次の合わせ、一週間後だ。 あと一週間で、この楽譜を、細かいところまで詰めろという指令が言い渡される。
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