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「でもバランスをとったり、上手く合わせられる人が居なくてね……。」
「それこそ楓先輩にちょっと似てたよな。まぁ、楓先輩は正確で合わせられる演奏するから違うけど。」
我が道を行く、という意味では似ていた。
それこそ、合わせられる人間が居なければならないのだが。
「要するに、その先輩に合わせられたのは音羽先輩だけだったと。」
「まぁ、そうね。私も入部して一か月はテナーサックス吹いてたんだけど、由奈先輩の指名でアルトサックス吹くことになったし。」
「そんな事が……」
入部して間もなく、テナーサックスからアルトサックスへのコンバート。
音羽は中学時代・高校時代どちらも演奏していた経験があったので、楽器の変更については特に苦労はしなかった。
問題は、由奈とのコンビネーション。
それだけだった。
「最初のうちは合わせにくかったわよ。私も正確に吹きたい方だったから。」
「どうやって合わせられたんですか?」
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