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全くタイプの違う、二人。
それでも合わせられる、合わせることを音羽は習得した。
その秘策が爽介には気になって仕方なかった。
自分も、同じようにできるなら。
そんな気持ちで話に食いつく。
「背中を、完全に預けたの。」
「背中を?」
どういうことだ。
物理的なものか?と爽介は首を傾げた。
そんな様子をみた音羽は慌てて「あ、もちろん比喩的な意味よ。」と捕捉の説明をする。
「とにかく信じた。何があってもこの人の表現なら、大丈夫だって。」
由奈の表現は誰よりも優れている。
それは楓も認めていたものだ。
そうなれば、信じてすべてを授けるつもりで演奏する。
そうすればきっと大丈夫だと音羽は確信していた。
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