4-1.一番かっこの行方

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「だから、俺に伝えたのか。」 「そうだよ。」 楓の現状と琴の役割を爽介に伝える。 それはつまり。 「爽介が琴先輩のやってた『楓先輩とのつなぎ役』をすれば良いってこと。」 爽介が、完全に琴の穴を埋めなければならない。 「……簡単じゃねぇか。」 「え?」 突然突き付けられた真の指令に爽介は、顔をあげた。 口角を上げて、勝気な表情を見せる。 そこに、不安という曇ったものは一つもなかった。 「今までの録音死ぬほど聴く。琴先輩の演奏、完璧にやってやるよ。」 決意を言い放った。 その様子に、佳貴はすぐに笑顔を見せる。 「鍵盤、苦手じゃなかったのかい?」 「うるせぇっ!そんな事言ってられねぇよ。」 いつもの軽口にツッコミを入れる。爽介はやる気に満ちていた。 「頑張ろう。」 佳貴は、笑顔で言った。 爽介らしい決意を少し喜んでいるようだった。
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