4-2.風使いを救う魔法

3/27

71人が本棚に入れています
本棚に追加
/349ページ
「じゃあ、一通り最初から通します。」 音羽の指示と、一二の合図で通しが始まる。 死ぬ気で叩く。 爽介はいつもより気合が入る。 何かに取り憑かれたように集中した。 フレーズ、音、全てを琴先輩のものその物にしてしまおうという勢いだ。 楽譜をもらって二週間。 何度も聴いた録音の記録と、琴と過ごした記憶。 脳内のすべてを総動員して爽介は叩いた。 曲のすべてを吹き終わり、楓は、楽器から口を話した。 眉間に皺を寄せて、おびえたような表情。 そして、震える声で爽介に対して、問う。 「星見……どういうことだ……。」
/349ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加