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どういうことか?質問の意図は、どう演奏したかという事。
答えは決まっていた。
「琴先輩の演奏を、しようと思って……」
出来る限りの事はした。
そうすれば、楓に合わせる事ができる。
楓と、バンドをつなぎ合わせることができる。
楓のために、琴になりきろうとした。
ただ、それだけだった。
「あぁ、完全に琴の演奏だった。」
曰く、曲中のビブラフォンは完全に琴の演奏が再現されていた。
楓以外のメンバーも、頷く。
爽介の演奏は、今までの琴の演奏ものものだった。
そのため、前回の違和感は曲を通して一つもなく、今まで通りの演奏だった。それでいい、そう思っていたはずなのに。
「けど、俺は琴の演奏をしろなんて言ってない。」
楓に言われたのは否定の言葉。
楓の為の演奏は、拒絶される。
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