4-2.風使いを救う魔法

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できなかった。 「お前が居ないと、俺はやっぱり一人だった。誰が合わせてくれるのかがわからない」 それほどに楓にとって、琴という存在は大きかった。 寄り添ってくれる人間が居ない楓は孤高だった。 「ビブラフォンのパートのところは、星見がやっているんだけど、どうすればいいか、分からないんだ」 俺のせいなのかな。 爽介は罪悪感で一瞬胸が締め付けられる。 「アイツはよくやってくれた。俺に合わせようと、しまいには琴の演奏を完全に再現してくれた」 爽介のせいではなかった。 楓のためであったのも本人に伝わっていた。 「でも、それは、アイツの演奏じゃない。星見には……琴の真似なんかじゃなく、アイツらしく叩いて欲しいのに」 楓があの時、怒鳴った理由が分かった。 琴の演奏を真似た事が嫌だった、というよりも、爽介には爽介らしくいて欲しい。 それが楓の願いだった。 「なのに、俺のせいでアイツにそんな事までさせて、俺……」 罪悪感に溺れていたのは楓だった。 涙声が混じる 「……なぁ、目を覚ましてくれよ。また一緒に演奏しよう。やっぱり、俺、琴がいないと……」 「駄目なんですか?」
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