4-2.風使いを救う魔法

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二人の見える位置にねじを巻いたメトロノームを置く。 振り子がゆっくりと揺れると一定のテンポでリズムを刻む。 「どこやるか、分かってるな。」 「えぇ。お先にどうぞ。」 カウントはしなくても大丈夫。 楓が先に入ったところを、爽介のビブラフォンがカウンターメロディを奏でる。 合わせる場所は、お互いに分かっていた。 すぅっとブレスを取る音は、静かな準備室に響く。 その後、奏でられたのは楓の音だった。 今まで通り、いや、今までよりも迷いの混じった音だった。 すぐに爽介が追いかける様にカウンターメロディを奏でる。 楓に言われた「好きに叩け」の言葉通り、好きに叩く。 だって、それが楓の望みなのだから。 しかし、二つの振動は空気の中で混ざることなく、空中で分離したままだった。
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