4-2.風使いを救う魔法

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ぽつりと呟いたあと「だって。」と爽介は理由を続けた。 「俺なら貴方を導ける。言ったじゃないですか、俺には俺らしく演奏して欲しいって。」 俯く楓の頬に両手を当てて、顔を向けると、強い覚悟と意思の言葉を言う。 「あの時みたいに、全部、俺に懸けてください。」   笑顔以外は、まるで、あの時の楓のように。 「なんで……そこまで。」 「これです。」 そう言って取り出したのはスティックだった。 琴からもらったもの。これを見せつけられるのは2度目だった。 「また、それか。」 「あの時は、まだ琴先輩の言ってた事が、ただのひとり言だったり、俺の聞き違いかもしれないって思ってました。」 琴の言っていた「楓をお願いね。」の言葉。 あの時は、本当に琴がそう言ったのか、半信半疑だった。 しかし、今は違う。 「けど、このスティックの事ちゃんと知って、確信したんです。聞き違いじゃないって。」 「どう言う事だ?」 「このスティックの材質、メイプル……楓の木なんですよ。」
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