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俺が、楓先輩の憧れの奏者だった?
突然の告白に混乱する。
そう思うと、確かに全て合点がいく。
爽介を吹奏楽サークルに半ば無理やり入部させたのも、アンサンブルのメンバーにしたのも、琴が「楓をよろしく。」と言った理由も。
まだ、何を言われたのか、整理がつかないままの爽介が困惑していると、楓が
「おい」と声をかけた。
「楽譜、持ってるか?」
「あ、はい。」
「貸せ。」
爽介から楽譜を受け取る。
というよりも半ば強引に奪うようだった。
すると、楓はボールペンを取り出して、楽譜になにかを書き込んだ。
その様子に驚き、爽介は思わず制止する。
「ちょっと!何書いてるんですか!?」
「ん。」
ぶっきらぼうな声で何かを書き終えた楽譜を爽介に渡す。
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