4-3.オーバーラン

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「えっと……まだ会場にいて。あ、楓先輩とは合流した」 『えぇ?今電車来たけど……待とうか?』 「いや、大丈夫。先乗ってて。次の電車乗ったあと乗り換えで合流すれば……ん、じゃあまた」 爽介は佳貴に電話をしていた。楓と合流したら連絡と言う約束を守る為。 少しだけ遅かったみたいだ。 他のメンバーは一足先に会場の最寄り駅から一足先に電車に乗り込んだ後だった。 会話の相手を察した楓は爽介の顔を覗き込む。 「他の奴らはなんて?」 「今、電車乗るみたいです。まぁ、次来るやつに乗ればいいでしょ」 会場から最寄り駅は徒歩で十分程だ。 先ほど出た電車の次便は約二十分後発。余裕で間に合うはずだ。 乗り換えは一時間に一本程のローカル線。 それならば、二十分遅れようと、合流できる可能性はある。
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