4-3.オーバーラン

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「まだ考えていたのか」 「だって気になるじゃないですか」 楓の見たかった世界。 ヒントは琴の見ていた世界。 見当もつかなかった。 延々と考え込む爽介に楓も半分呆れていた。 「琴先輩の見てた世界……今までの琴先輩がって事だから……」 「高校の時とか、大学入ってからもそうだな」 「それって、話を聞く限り、楓先輩が横暴かましてた事しか……」 「おい」 思わず口が滑ってしまった爽介をすぐさま睨む。 まぁ、事実ではあるが。 「琴は今まで俺が前線でバンドを引っ張るところしか見てなかったからな」 観念したのか、楓はようやく次のヒントを出す。 ヒントと言う名の昔話を。
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