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「前線を引っ張る姿がどんなふうに映っているかやっとわかったんだよ」
琴の見てきた楓を、爽介が見せた。
鏡も使わず、自分の姿を演奏で。
それは、正に魔法とも言えるだろう。
「琴にも見せたかったな」
唯一楓の中で心残りだったことは、琴にもこの魔法を見せたかった。
せっかく、打楽器を二人体制にまでしたのに、琴には何も見えずに冬が終わった。
しかし、たとえ冬が終わっても、彼らが楽器を置かない限り、この魔法は続く。
「いつか、見せましょう。またいつか、一緒に演奏しましょう」
約束をしよう。
今度こそ、本当に望むステージに魔法をかける事を。そして、琴と共に。
「また、いつかな」
それが、魔法使いと風使いの誓いだった。
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