4-3.オーバーラン

40/43
前へ
/349ページ
次へ
「美和町―。美和町―。終点です。お降りのお客様は……」 車掌のアナウンスと共に、電車は目的地に到着した。 「とりあえず降りるぞ」 この列車は回送列車となり車庫に入る。 まずは、駅のホームに降り立つことが優先だった。 「あの、マフラーは」 降車を急かす楓に、爽介は話の続きをしようとした。 「すぐ返してくれればいいから」 そんな爽介を楓は軽くあしらう。 そのまま、ホームに降り立って、改札を出て、美和駅の出口へと差し掛かった。 爽介の家は美和駅のすぐ傍だ。 そのため、二人が解散する場所は駅の出口だろう。
/349ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加