4-3.オーバーラン

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「じゃあ、ここで」 「あぁ、じゃあな」 駅から出た二人は案の定、別れの挨拶を交わす。 楓はすぐに背を向け実家への帰路へと足を運ぶ。 一つ、また一つ楓の背中が遠くなる。 いいのか? このまま、別れたらもうこの人と二度と会えない気がした。 よくない。そんなの絶対に。 「時間が止まるような気がした」と言った楓の気持ちが今ならよく分かる。 だから、今度こそ後悔も悲しみも無いように。 「楓せんぱ……じゃなくて、楓さん!」
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