4-3.オーバーラン

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「えと……もしかして」 「うん!そうだよー。彼が小早川君」 「どうも、初めまして。いつも野乃華がお世話になってます」 野乃華の彼氏である小早川は、そう言って初対面の爽介たちに握手を求める。 イケメンで楽器が上手いと野乃華から聞いていたが、醸すオーラが爽やかでしかなかった。 「こちらこそ」 少しだけ緊張気味に握手をした。 「さて、一回集合しなきゃいけないから、行ってくるよ」 「あれ?演奏順後の方じゃなかったの?」 野乃華が別れを惜しむように問う。 「部全体で一回集まるんだよ。けど、野乃華の演奏は聴くから」 国立大学からは、今回、二チームが出場していた。 プログラム一番の打楽器アンサンブルのメンバーの士気を高めるためにも、一度団全員で集合するそうだ。 流石、全国大会常連校と言ったところか。
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