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1-3.翡翠の森
禁煙席の二人掛けのテーブルにはアイスカフェオレとアイスココアが置いてある。
場所を変えた楓と琴はファミレスのテーブルで向かい合って、改めて話を始めた。
「ねぇ、楓。星見君ね。やる気がないわけじゃないの。ただ、コンクールに嫌な印象があるみたいなの」
「嫌な印象があろうとなかろうと出るのは本人が決めることだろう。俺のやり方に合わないと思うのなら辞めればいい」
琴の説得は、ばっさりと切り捨てられた。
しかし、楓のいう事は正論だ。
それを分かっている琴は「それはそうなんだけどね」と、前置きを入れる。
「楓ももう少し、優しい言い方したりとかさ、ほら、フレンドリーに……」
「琴は、それでどうなったか知っているだろう」
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