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その日は要件さえ済ませれば、すぐに帰るつもりでいたのだ。
このところ、また体調を崩しているヴァフィラ。
彼の滋養のために今年採れたばかりの蜂蜜を渡して、家事がとどこおっていればそれを片づけてから、おとなしくおいとまするつもりだった。
だがヴァフィラに蜂蜜を渡すと、予想以上に彼は喜んだ。
ゆっくりしていってくれと、お茶の用意を始めるものだから慌てて止め、長椅子に座らせてからルドーニはハーブティーを入れた。
「体調不良なんだから、カモミールティーだぞ」
「ふふふ。蜂蜜をたっぷり入れてくれないか」
体はきつそうだが、やけに上機嫌でにこにこしている。
そんなヴァフィラを不思議に思いながら、まぁついでなので夕食までこしらえていくか、とルドーニは予定を軌道修正していた。
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