どうして どうして どうして

1/11
前へ
/11ページ
次へ
4時間目の事だった。 私は小学校6年生の女の子。 いつも通りに授業は始まり、いつものように私は真面目に授業を受けていた。 先生は、 「 みなさんは将来の夢はなんですか?」 と、大きな声で言うと黒板に( 将来の夢)と書いた。 ハイ、ハイ、ハイと沢山の手が上がっている。 ( みんなすごい。) 私は考えた。小さな頃からずっと考えている。 (大人になったら何になる?私は何になる?) 「 お前はダメだ。お前は女だからダメだ。お前には何も出来ない。」 と、両親から言われ続けた言葉で頭がいっぱいになる。 (頭の中を振り払い自分で考えないと。) 私は手を挙げていないのに一番に当てられた。 ビックリして立ち上がり、自分が心から望む将来の夢を言葉に出した。 「 私の将来の夢は結婚して幸せな家庭を築く事です。」 初めて自分の気持ちを言ってみた。すると先生は、 「フンくだらない。馬鹿馬鹿しい。あなたならもっといい答えを言ってくれると思って当てたのに。結婚だなんて。ありえない。」 と、言った。私は耳の後ろまで真っ赤になって椅子に座った。 ( この人は何も知らない。結婚して幸せな家庭を持つことがどんなに大変な事なのかを知らない。私の事を知らない。知ろうともしないんだ。)
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加