17人が本棚に入れています
本棚に追加
私は80まで生きられるとは思ってはいなかった。毎日両親から暴力を受けていたから。きっと若くして死ぬんだろうと漠然と納得していた。自分の寿命や意思とは関係無く、多分終わりは来るんだろうと思っていた。それはほんの小さな女の子の頃から毎日激しい痛みや苦しみと共に私の人生はあったからだ。
だから今日で終わりにするのは私の勇気ある行動だと思った。
どこに向かえば物語は終わるかと思い自分会議を繰り返す。公園の横の緑地帯を歩いて山の上へと向かう。
だから今はなぜ涙が出るのかわからない
思い出して何になるんだ。学校のお友達みたいにのうのうと楽しく生きてみたかった。
思い出すのは幼い白昼夢の続きだ。今この重石を取って楽になりたい。いらないものをすべ捨て去りたいんだ。愛の無い世界に私は生きて来た。
私の心は荒地になってしまった。どんなに純粋であろうとしても。
こんな世界からサヨナラするんだ。
一度でいいから抱きしめてもらいたかった。
私の人生は痛みと苦しみと寂しさと飢えだった。
今まで誰にも言えず一人で苦しみ悩み生きて来た。
誰にも何も吐き出せず吸って吸って私はもういっぱい。
誰も本当の私は知らない。私は誰にも相談した事は無い。先生たちにも言った事は無いんだ。学校のイジメを解決できない人達に親からの暴力を解決できるとは思わなかった。私の人を見る目は確かなのだ。それは今日学校で証明された。
今更なんの恐怖も無い。通り過ぎる人達に私はいつものように挨拶をする。真意を知れば皆私に賛成してくれるはず。私は孤独を知り過ぎた子供だ。独りぼっちで明日に期待してたけど、今日を我慢出来ない。
声を詰まらせて私は泣いた。遠くへ遠くへ歩く。
最初のコメントを投稿しよう!