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三樹は「私とのお出掛けも忘れないでね」と言わんばかりの目をしていた。さすがの蓮もこの表情には勝てずに、「予定は開けとく」と言って顔を背けた。
「今となっては蓮もチョロくなりましたなぁ!」
「あ゛…もっかい言ってみr…グホォア!」
これまたいつものように二菜のドストレートパンチが蓮の腹部にクリーンヒットした。
そしていつものように腹を押さえて苦しんでしまった。
「新太も…蓮をいちいち刺激するような物言いはやめてね。」
…確かに、アレだけは食らいたくないからなぁ。
―その頃、臨海西中学校2-E―
オレ・長旅遊真は絶賛……たまりにたまって山のようになったテストを受けていた。百枚あるうちのまだ十枚ほどしか終わってない。
「だーーーーーーーーーーーーーっ!なんでうちの学校はこんなにテスト多いんだよ!進学校でもあるまいし、もうちょっと個数考えてよ!」
遊真は机の上にそびえ立っている山に対して、抑えきれない怒りの一端をぶちまけた。
「遊真くん、これはしょうがないですよ…だって私もテストたまっていますから…一緒に乗り越えましょう!」
そんな爽やかな顔で言われたってテストはテストなんだって志愛!終わらなきゃ意味無いんだよ、乗り越えようよとか言われてもそれで頑張りきれる量じゃないよこれ!
「こら、そこ二人!喋らずやらんか!」
「「はい、すいません!」」
―その頃、cans本部ビル―
「たっ、大変です!」
『何事だい、香織さん。そんなに汗を垂らして…よっぽど大きいものなんですか?』
「我らが夏のイベント用に用意していたモンスター[リバイアサン]が、今朝を最後にここから脱走したんだ!」
『ええっ、何故です?あの檻は僕と香織さんで作って厳重な管理下に置かれていたはずですが…』
「自主回収を解除して、安全性に十分配慮はしたが…こうなればまた甚大な被害が…」
『そうですね……僕の物語で誰かを傷つけるのはもう嫌ですからね。では、Four Animalsに任せてみてはどうですか?』
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