お化け屋敷で消えたあの人

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私たちは、自信満々に入ったものの、最初のお化けでつまずいた。 この角を曲がるとナマハゲのような鬼が立っている。その前をただ通ればいいだけなのだが、通れない。 「こんなの、作り物だよ!」 私は一人で進もうとするも、いるとわかっている鬼が「うぉおおお!」と驚かすだけですぐに定位置に戻った。 少しすると私たちの後ろから女子高生5,6人の集団が来た。 しかし、女子高生たちも最初の鬼でビビって動けなくなったようだ。 私たちは女子高生にもみくちゃにされ、後ろに押し出された。 外にいるお母さんたちが私たちに気付く。 「ちょっと、早く進みなさいよ」 お母さんたちは笑っている。 「だって、だって、前に進めないんだもん」 私たちはまた女子高生の中を進もうとしては、またもみくちゃにされるのを繰り返していた。
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