水野との婚約の真偽

2/12
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
 「…つかぬことを伺いますが、好子さんは、水野さんと婚約するという噂がありますが…」  「…ああ…あれね…」  好子は、心底、うんざりした様子で、答える。  「…父よ…」  「…お父様?…」  「…父が、私を人身御供というか、水野に差し出そうとしているの…」  「…人身御供…」  私はあまりに、時代錯誤というか、時代劇で使うセリフを、眼前の好子さんが使う現実にただただ驚いた…  言葉の意味はわかるが、イマドキ、そんな言葉を使うとは思わなかった…  まして、それが、好子のような爽やかなルックスを持つ、美人ならば、なおさらだ…
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!