あらすじ

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あらすじ

 それは、一件の電話がかかってきた事から始まった。 今は退職したが、同期入社で仲の良かった友人が亡くなったのである。 連絡してきたのは、実兄であった。  亡くなった彼とは、入社後からの付き合いであるが、趣味のスキー仲間であり、その関係の友人も多くいた。  私達は、各自の所用から、通夜と葬儀には出席できなかった為、翌週に揃って彼の実家まで、お悔やみに伺った。  そこには、連絡をしてきた兄夫婦が待っていた。  私達は、彼の写真が飾れた祭壇に手をあわせ、若い命の無念さを思った。  亡くなり方に釈然としない事もあり、実兄に幾つか、覗ってはみたが、こうゆう場なので、お悔やみの言葉をかけ早々と失礼した次第であった。  私達は、駅近くの喫茶店に入り、スキーに行った時の話題で盛り上がった。  なぜか憎めない彼の顔と性格が、当時の事を、今でも鮮明に蘇らせてくれたのだった。  数日後、彼が亡くなった山梨県のその場所に花を供える事にした。  車で出かけて行ったところ、目的地近くで、尾行されている事に気付いた。  やばい雰囲気が脳裏を横切ったが、尾行者の正体は地元刑事であった。  私達は、お悔やみに来た事を告げると、当時の状況を話してくれた。  それから数日後、何か、心の痞えが晴れなかった為、彼が会社に勤めていた時の上司に連絡を取り、退職理由などを話してもらった。  その頃から、私達夫婦は、監視されている気配を感じていた。  それは、現実となり私達の身に危険が迫って来たが、何とか備えのおかげで切り抜ける事が出来た。  そして、あるニュースをきっかけに、ぱったりとその出来事が消えた。  信じられない出来事であるが、事実の一部が出てきた事により、その国の紛れもない不条理性が、人々の驚きと怒りを高めて行った。  しばらくしたある日、あの刑事さんから連絡が入った。  落ちあった喫茶店で、事件に起因したかも知れない紐解きを、聞かせてもらったのである。  小さな事件だと思っていた事が、まさかあの事件につながっていたのか。  その後、政府の対抗処置として、唯一の渡航手段であった北の国行き直通船が停止となり、最後の就航の状況がテレビで報道されていた。 カメラは、埠頭の岸壁にいる人達、そして船上にいる人達を映していた。  そして、映像は・・・・・・・・・・・・。
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